RECOMMEND
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

07
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--

ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

農薬と医薬 32
 例えば、衛生害虫としては、蚊、はえ、ごきぶりの三種が必須だったので
連続生産設備で生産していた。蚊は卵、ぽーぷら、さなぎ、成虫の四段階が
あるので、多段式連続流下式生産設備であった。
 見学者の評判がよいので、営業が販売リストに入れていたが、さすがに、
受注した記億はない。ごきぶりが最盛期の頃は日産五千匹だった。植物も同
じことで、例えば、稲は一年中苗から穂が出る頃まで揃っていた。
| 農薬と医薬 | 06:46 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 31
 新化合物が合成されると、基礎データ取りのために、一次スクリーニング
といって、数種類の農業害虫、衛生害虫に対する殺虫試験、数種類の作物と
雑草に対する枯殺および発芽抑制試験、稲および重要作物の病原菌にたいす
る殺菌試験などが一通り行なわれるのであるが、この試験だけでも膨大な試
験材料がいる。
| 農薬と医薬 | 06:38 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 30
 医薬もスクリーニングをしないわけではないが、治療を目的とする医薬と
違って、農薬は有害生物に対する殺滅力は強ければ強いほど望ましく、人畜
に安全であれば安全であるほどよいという、単純明快な基準でふるい分け出
来る。それ故、農薬のスクリーニングは分業化してロボットによる流れ作業
で可成の部分がカバー出来る。
| 農薬と医薬 | 06:37 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 29
 スクリーニングにおける宝くじの枚数とは、新化合物の数のことである。
新化合物の合成件数と、それを、早く多目的に「ふるい」にかけることで勝
敗が決まる。
 化学工業会社には、生物学の学識経験はないが、新化合物合成の熟練と金
ならば、天下無敵である。まさに、うってつけではないか!この様な考え方
で、一斉にマンモス研究所が建設されて熾烈な競争が一挙にはじまったので
ある。
| 農薬と医薬 | 06:36 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 28
 一見してわかるように、スクリーニングは宝くじを引く感覚で出来る。学
識経験に関係なく運の問題で、当たれば、誰でも目標を確実に手にすること
が出来る。宝くじは枚数が多いほど有利である。要するに金の問題である。
 宝くじを買い続けて、全部買い占めることになれば、当たりくじがあれば
必ずあたる。ここまでゆくには忍耐力がいる。
| 農薬と医薬 | 08:24 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 27
 そしてこの試験を目標にかなう新化合物が見つかるまで、無限に続けると
いう探索研究法である。目標にかなう新化含物が見つかれば、それを梅毒薬
としての適格性の試験に進める。この様な方法で、サルバルサンを上回る薬
を探しだすことが出来る。この方法をスクリーニングというのである。
| 農薬と医薬 | 06:40 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 26
 スクリーニングとは、ふるいにかけるという意味の言葉であるが、簡単に
具体的内容を説明する。
 例えば、仮にサルバルサンよりも人間に無毒で、サルバルサンよりも梅毒
によく効く薬を探索する目標をたてたとする。この場合は、マウスと梅毒菌
を用意して、新化合物を合成して、マウスに対する毒性試験と梅毒菌に対す
る殺菌試験を同時並行に実施する。
| 農薬と医薬 | 06:43 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 25
 エールリッヒはサルバルサンの発見はスクリーニングであったことを理由
に、ノーベル賞の受賞を辞退した。しかし、この世紀の大研究業績を残した
エールリッヒにノーベル賞を贈らないわけにはいかない。サルバルサンを発
見する端緒になった、エールリッヒの免疫学における「鍵と鍵穴」の理論と
「側鎖説」に与えられたのである。詳しいことは、志賀潔氏の「エールリッ
ヒ博士の思い出」にあったと思う。五十年前の記憶であるが、感激したこと
を覚えている。
| 農薬と医薬 | 06:38 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 24
 そして、スクリーニングの成功を支配する要因として、四つのG(ゲルト
=おかね、グリュック=幸運、ゲシック=熟練、ゲドュルド=忍耐)をあげ
て、理屈抜きの成功は研究を荒廃させるおそれがあるといって、濫用を戒め
ている。確かに、自然科学研究の世界で原爆的威力と破壊力を秘めた方法論
であると考える。
| 農薬と医薬 | 06:46 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 23
 エールリッヒはこの考え方で、スクリーニングによる探索研究法を創始し
て、梅毒菌の扉を開ける目標に挑戦し、六百五回の失敗のあと、六百六番目
に成功したのである。
 エールリッヒは、後年、実験仮説に絶対的な自信があったが、証明しよう
にも手の施しようがなかったので、やむをえず、スクリーニング法を採用し
たと弁解している。
| 農薬と医薬 | 14:51 | comments(0) | - | pookmark |