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ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

スクリーニング研究雑感 20
 スクリーニングによる新農薬発明の現場を見て来ると、「農薬研究の世界も一寸先は闇、理論は未来予測に役に立たない」と思う。農薬の研究は半世紀を経て、膨大な業績があるが、所詮、テールランプに照らされた世界の記録に過ぎず、未来を照らすへッドライトにはなり得ないのである。何万冊の伝記や文学を読んでも、その人の人生にそのまま使えるものが全く無いことと同じである。創造的な研究とは、暗やみのなかで手探りでトンネルを掘り進むようなものである。人生もその点で共通するところがある。創造的発見や発明は常に意外性に満ちており、人智を越えたレベルで人類の危機突破に貢献して来た。
| スクリーニング研究雑感 | 09:44 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 19
経済学者は口を揃えて、今度の不況は経済理論が役に立たないと弁解しているが、理論の頼りなさに気付かないと、国家が破産することにならないか心配である。天気予報、地震予報、健康診断、予報とか診断というものは、参考になってもあてに出来ないものであることに気付くことが必要であると考える。
| スクリーニング研究雑感 | 07:41 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 18
「政治の世界は一寸先が闇」という言葉は、福田首相の口癖であったが、バブル崩壊後の世相を見ていると、「経済の世界も一寸先が闇」がハッキリしてきた。経済予測専門家の集団が不況脱出の最大のお荷物になっている姿は喜劇以外の何ものでもない。経済大国になって、日本経済もいよいよ未来型になったと思った瞬間、大蔵省も銀行も予測は間違いだらけになった。
| スクリーニング研究雑感 | 07:35 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 17
研究の歴史が長いので、通常の環境条件で毒性問題が起こることはない。キチン質形成阻害剤や幼弱ホルモン剤等の昆虫特有の変態を妨害する薬が出てきたが実用性は疑問である。また、昆虫特有の性フェロモンを合成して空中に揮発させて交尾を攪乱する防除法が開発されている。殺虫剤低抗性が発達してきた分野(野菜害虫のこなが等)に有望であり動向が注目される。
| スクリーニング研究雑感 | 07:51 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 16
 昆虫は運動と鎧のようなキチン質に特徴がある。殺虫剤に運動神経を狙ったものが多いのは当然であるが、人間にも神経があるので要注意である。自律神経伝達物質分解酵素阻害(有機リン酸エステル系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤)や運動神経伝達阻害(ピレスロイド系殺虫剤、塩素化炭化水素系殺虫剤)等、運動機能を狙った多数の殺虫剤が開発されている。
| スクリーニング研究雑感 | 07:48 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 15
 菌は単細胞で堅い細胞膜があることと、細胞分裂をして猛烈に繁殖することが特徴である。それ故、細胞膜形成阻害剤とか、細胞分裂阻害剤を狙うことが考えられるが、人間生理と近い関係があるので慢性毒性問題を起こす確率が高い。それ故、ギャンブル性が高い分野である。発明の手がかりの得にくい分野で、偶然に有望化合物が出てくるが、それだけに毒性問題は徹底的に試験する必要がある。この様なことから、アメリカでは殺菌剤を開発しない研究ポリシーを打ち出しているメーカーが見られる。かびは独特の形状を作る。最近のいもち殺菌剤にここを攻撃するタイプのものが登場している。
| スクリーニング研究雑感 | 07:54 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 14
 植物の栄養は人間に出来ない光合成をしている。ここを攻撃攪乱する除草剤は毒性問題は起こらないようである。繁殖は種子であることから発芽抑制の除草剤が多いが、毒性問題はないようである。しかし、細胞分裂を阻害するタイプや、植物細胞の原形質に結合作用するものや、エネルギー代謝を阻害するタイプは、人間生理に共通点があるので問題が起こる可能性がある。嘗てこのタイプにグラモキソンがあった。圧倒的な効果と便利さから、解毒剤の研究が行なわれたが成功せず、現在は厳しく規制されている。
| スクリーニング研究雑感 | 08:15 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 13
 約四十年を経て、現在は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤の分野に膨大な作用機構の理論があるが、すぐれた専門書が多数出版されているので全て省略して、人間に安全な農薬を探索するスクリーニングについて、私なりに概念的に把握していたことを大雑把に述べる。
「生命とは栄養と繁殖と違動の機能を有することである」という、哲学の古典的定義があるが、この立場から草、菌、虫と人問を比べると、草は栄養、菌は繁殖、虫は運動に特徴があると言えよう。
| スクリーニング研究雑感 | 09:14 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 12
 この様な事実が世界の研究所に頻発したことから、殺虫剤、殺菌剤、除草剤を、一挙にスクリーニングする農薬特有のゼネラルスクリーニングシステムが誕生し発展して来たと考える。ゼネラルスクリーニングの方法論は一見宝くじ引きのようであるが、背景には、自然を相手に研究する人間の、知性の職能と限界についての厳しい考察による深遠な洞察が潜んでいることを感ずる。
| スクリーニング研究雑感 | 07:59 | comments(0) | - | pookmark |
スクリーニング研究雑感 11
 クミアイ化学の農薬研究を活性化させたアルキル硫化砒素系もんがれ病治療薬発明の端緒は、有機リン酸エステル系殺虫剤の燐を砒素に置き換える発想だった。住友化学の画期的果樹殺菌剤のスミレックスは除草剤の研究過程で発見された。合成した化合物が保存中に閉環反応を起こして予想外の新化合物になって、菌核病や灰色かび病等の世界的難病の治療薬が誕生した。昭和五十年頃に世界を驚かせたバイエルのアゾール系浸透殺菌剤は炭素の四本の手に全部違う側鎖を付けたらどうなるかというだけの発想だったとビュッヘル博士が書いている。世界簡に白熱化した合成ピレスロイドスクリーニング研究の口火をきったフタルスリンの発明者の加藤武明博士は、安くて入手しやすい原料から研究をスタートさせたら、早々にヒットになったという述懐と相通ずる。
| スクリーニング研究雑感 | 07:43 | comments(0) | - | pookmark |