2008.06.09 Monday
農薬という言葉 7
「農薬」という言葉があるために、農業以外の分野で使われるペスティサイドは、厚生省管轄の防疫用殺虫剤を除いて、全て、無法地帯に野放しになったのである。「養魚用農薬」「ゴルフ場農薬」という言葉がマスコミに登場したが、こんな言葉は、農薬取締法上、存在しないことは明らかである。農薬取締法が適用出来ない地帯が発生していることを意味しているのである。
日本の科学技術行政が分権管理の縦割組織になっている原因は、新技術に対する理解がないためである。新技術とは、本来、未知の新市場を創出することを目的とするものであるから、新枝術に対する技術行政は、未知の市場の出現に、迅速に対応出来るようにすることが重要なのであるが、日本の官僚は行政改革がきらいなようである。硬直した縦割行政は、新市場が出現するごとに混乱が起こり、ますます複雑な行政機構を生んで行くことになる。具体例を示す。
はえ、蚊、ごきぶり、のみ、しらみ、などの衛生害虫に対する殺虫剤は、農作物を加害しないので「農薬」に入らない。それ故、厚生省が管轄している。例えば、スミチオン乳剤は農作物害虫と衛生害虫の両方に用いられるので、厚生省の管理をうけるものを「防疫用」と名付けて区別しているが、具体的には、迷惑な規格を付け加えているだけである。例えば、農業用スミチオンの濃度表示は重量基準で下限判定、防疫用スミチオンの濃度表示は容量基準で許容範囲判定。違いはこれだけである。海外取引の時に、まちがって損をしたり信用を失ったりしないように、新人を教育する手間が増えただけである。農薬を魚の病気治療に便用することは、養魚業者の公然の秘密であったが、魚は農作物でも畜産でもなく、また、厚生省の動物薬でもないところから、野放しが続いて環境汚染が危惧されていた。この問題は農林省が農水省に改名されて担当が明らかになったので解決したと思う。
日本の科学技術行政が分権管理の縦割組織になっている原因は、新技術に対する理解がないためである。新技術とは、本来、未知の新市場を創出することを目的とするものであるから、新枝術に対する技術行政は、未知の市場の出現に、迅速に対応出来るようにすることが重要なのであるが、日本の官僚は行政改革がきらいなようである。硬直した縦割行政は、新市場が出現するごとに混乱が起こり、ますます複雑な行政機構を生んで行くことになる。具体例を示す。
はえ、蚊、ごきぶり、のみ、しらみ、などの衛生害虫に対する殺虫剤は、農作物を加害しないので「農薬」に入らない。それ故、厚生省が管轄している。例えば、スミチオン乳剤は農作物害虫と衛生害虫の両方に用いられるので、厚生省の管理をうけるものを「防疫用」と名付けて区別しているが、具体的には、迷惑な規格を付け加えているだけである。例えば、農業用スミチオンの濃度表示は重量基準で下限判定、防疫用スミチオンの濃度表示は容量基準で許容範囲判定。違いはこれだけである。海外取引の時に、まちがって損をしたり信用を失ったりしないように、新人を教育する手間が増えただけである。農薬を魚の病気治療に便用することは、養魚業者の公然の秘密であったが、魚は農作物でも畜産でもなく、また、厚生省の動物薬でもないところから、野放しが続いて環境汚染が危惧されていた。この問題は農林省が農水省に改名されて担当が明らかになったので解決したと思う。