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ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

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発想の原点 最終章 未来を切り開く推進力は執念
 そこで、我流のぺ−パークロマトグフフで調ぺることにした。蒸留収率のがた落ちMAPをぺ−パークロマト法で色々な混合溶媒を用いて調ぺたところ、二つに分かれたのである。早速、分離精製してみると、蒸留残からとれた化合物は、MAPと元素分析値がほとんど同じで融点が近く、しかも融点降下も殆どしないが分子量が二倍あるので、明らかに不純物だった。

 すなわち、今までの公定分析法は不純物もはかり込むことが判った。あとは一瀉千里である。連続反応の生産量が日を追って低下する理由は、廃液からMAPと信じて回収して仕込んでいた回収MAPが、実は、不純物でわざわざ不純物を仕込んだことが原因と分かった。蒸留収率ががた落ちするロットは、反応釜洗いをする土曜日の製品であることも判明した。

 PASの反応がうまく行かない理由も、製品が時々変色する理由も判った。原困は全て工場の外にあった。

 工場長は余程嬉しかったらしく、技術表彰を申請し、同時に、関係先には改良製造法の実施を要求した。かくして、塩酸百本を二時間で分析した新入社員は、画期的分析法を開発して赤字工場再建に貢献した功績で表彰された。

 この分析法は意外なところで波及効果が出た。係長がインチキ原料を買わされたといって、主原料の仕入先に値下げ交捗をしに行って、過去の赤字の一部を相手に転嫁して意気揚揚と帰って来たのである。前代未聞の業績改善であった。あれやこれやと、寝耳に水の騒動を起こして、私も知らぬ間に有名人になっていたのである。

 私はこの仕事を通じて、また、大きな教訓を得た。疑問は何処までも妥協を許してはならないという追求の厳しさであった。未来を切り開く推進力は執念であることを知ったのである。
 このことがあってから十年後に研究管理者になったのであるが、工場現場で学んだこの二つの教訓が、私の発想の原点になったと考える。

| 発想の原点 | 06:42 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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