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ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

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発想の原点 5
 PASの服用量は一日当たり一○グラムと多い。それに加えて、結核患者は神経質で一寸でも色が悪いと患者が服用しないので返品になる。これが原因でPASのメーカーは潰れるのである。
 私の工場も、毎年、二○パーセント程の返品があった。捨てる訳にも行かないので、化学的に分解して中間物に戻してから、また、反応して製品化していた。この費用が大きい。分解と反応を往復するから、二○パーセントの返品は製造原価に対して三○パーセントくらい跳ね返ったと推定される。これがゼロになったので、さしもの赤字もとんとんになり、他社は潮が引くように撤退し始めた。生産量が四倍にふえても設備能力に心配はいらなかった。
 係長とこれから楽になると、喜んでいたところへ転動命令が来たのである。

 この仕事の為に勉強したことはアメリカの科学的管理法であった。種明かしをすれぱ化学会社の現場にフォード自動車工場のシステムを持ち込んだだけである。

 後で聞いたのであるが、PASの赤字改善には大勢の先輩が取り組んで成功せずにおわり、技術者の墓場と見なされていたそうである。私が成功したのは、先輩の後追いを初めから諦めて参考にもせずに対象のなかに飛び込んで、疑問に感じたことを専門にこだわらずに追求したことにあった。あとは必然に導かれたということである。

 平凡すぎるくらい平凡な着想で問題点を見つけて普通の方法で解決したに過ぎない。創造とはこんなものかもしれないと考えたのである。
| 発想の原点 | 11:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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