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ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

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発想の原点 4
 残りの時間は、原料を運んだり、モンキーやスパナーを探したり、隣の工程の時間待ちだったり、安全設備の不備による時間の浪費のような操作法だったり、機械配置の改善で不要になる動作だったり、真空ポンプのような設備機械の不調だったり、まさに、原始時代さながらの作業の上に工程の標準時間が設定されていることが判明したのである。

 これだけわかれぱ充分である。今まで判らなかったのは、腕利きの職長、組長に作業管理が任されていて、誰も踏み込めなかったからであろう。早速、担当係長に報告した。
 事務処理的な仕事しか手を出さなかった係長は、元陸軍航空大尉の猛者で作戦計画のペテランである。後は、俺に任せろという感じで、工場の一部を手直ししただけで、あっという間に生産性を四倍近くに引き上げたのである。

 夜勤と昼勤の工程を組み替えて分業化して、原料搬入は倉庫課に時刻まで指定したスケジュール表を渡して任せて、一日一回の仕込みを二回にしてしまい、作業員全員に充分な工具と工具置場を支給して、工具を探し回る時間をなくした。
 航空整備兵の要領で設備機械は予防保全の考え方で専門化し、液体原料はすべて大きな受け入れタンクを四階に設置してタンクローリーで業者に入れさせて配管するなど、アイディアの権化と化して、まさに破竹の勢いであった。

 生産量が二倍にあがり、生産性が四倍にあがっても、作業員の仕事は楽になって評判は良かった。新しい職長と組長が染料工場から転勤してきて配属された。作業員は暇になったので、ペンキ屋になってパイプやタンクの色分けを始めた。一ヶ月でPASの工場に遊郭のニックネームがついた。

 これで赤字はだいぶ滅ったが、暫くして、もっと大きな予期せぬ効果が出てきた。作業の含理化で、これまで三日間かかっていた工程が二日間になったこと、と、同時に進めていた主原料の工程改良によって、二工程の精製を一工程にしても製品の品質が良くなり、どんどん売り上げが伸びるのに製品着色クレームによる返品が無くなったのである。

| 発想の原点 | 18:38 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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