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ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

農薬業界の十字架 最終章
 この二つの現実を比較すると、日本は大変な無駄をしていることになる。この前近代的な姿は四十年前のパラチオン導入時から変わっていないことを示している。この現象は農薬にとどまらず、日本農業全体に共通する現象ではないかと考える。
 農地改革によって細分化され弱小化した農家の保護にかたよった農業政策によって、日本農業は自立と自由競争の活力を失い、農業全体が萎縮するばかりの流れになっているところはまさに農薬業界と相似形である。年々さらなる保護を求める業界になって行くだろう。米の値段は遂に国際価格の十倍になった。
| 農薬業界の十字架 | 13:55 | - | - | pookmark |
農薬業界の十字架 最終章
 この二つの現実を比較すると、日本は大変な無駄をしていることになる。この前近代的な姿は四十年前のパラチオン導入時から変わっていないことを示している。この現象は農薬にとどまらず、日本農業全体に共通する現象ではないかと考える。
 農地改革によって細分化され弱小化した農家の保護にかたよった農業政策によって、日本農業は自立と自由競争の活力を失い、農業全体が萎縮するばかりの流れになっているところはまさに農薬業界と相似形である。年々さらなる保護を求める業界になって行くだろう。米の値段は遂に国際価格の十倍になった。

| 農薬業界の十字架 | 09:09 | - | - | pookmark |
農薬業界の十字架 29
 農家はジイチャン、バーチャン、カーチャンの三チャン農業か、兼業のサンデー農業が殆どである。水で薄めて一反あたり100リットルも噴霧機械で散布する乳剤よりも32キロを散粉器で散布すればよい粉剤を買う。粉剤は欧米先進国では使わないが、日本では誰も気が付かない。3キロを手播きですむ粒剤は高価だが最も人気がある。
 農協は病害虫の発生状況や薬剤を教えてくれるが診断出来ない。高価でも幅広く効く混合剤を買う。殺虫が目的なのに殺菌剤が配合された混含剤を二倍も高い値段で買い二倍も使うことになる。四種混合剤も売っている。フォーミュレーターは混合剤や粒剤の販売にカを入れて、かゆいところに手が届くような新製品を毎年のように開発して宣伝する。農薬は無駄になり、環境が汚染する。
| 農薬業界の十字架 | 10:44 | - | - | pookmark |
農薬業界の十字架 28
 夏になると工場は仕事が無くなる。工場長は工場でぼんやりしている作業員に農薬散布をさせたらと思うが、市場がまとまらない。やりすぎると業界のルール違反のような気がするので諦める。営業部の見込み違いによる品不足や飛込みの注文が来ると助かったという気持ちになる。
 営業部は春先の納入でその年の勝負が決まる。夏から秋にかけては売れ残りを捌くために出張で走りまわる。せっかく売り捌いても、一昨年あたりの売れ残り品が有効期限が切れたという理由で各地の農協から返品してくる。捨てるために忙しくなる。
| 農薬業界の十字架 | 08:28 | - | - | pookmark |
農薬業界の十字架 27
 アメリカの大手農薬原体メーカーの前身が、カリホルニヤスプレー、とか、ナイヤガラスプレー、というように、スプレーがつく社名が多いのは、フォーミュレーターが出発点であった会社が多いことを物語っている。必ずしも、化学工業会社ばかりでない。
 日本のフォーミュレーターは、前年の秋に営業部が来年の品目別売り上げ予想を作る。価格は全農と協議して決める建前であるが、全農の押しつけのようなものである。大体、秋の終わり頃に確定する。工場は営業部の予想を参考にして、冬から春にかけて見込み生産をする。この期間は工場は目の回るくらいに忙しい。残業、休日出動は当たり前である。営業も天下分け目の接待シーズンに入る。製品の性能は植物防疫協会が発表しているので相手も知っている。値引き販売は全農が監視しているので不可能である。他社との競合品はビールとカラオケと訪問回数で頑張るしかない。声がかれても、二日酔いでも、問屋と農協をもれなく巡回して挨拶する。
| 農薬業界の十字架 | 08:33 | - | - | pookmark |
農薬業界の十字架 26
 FARM CHEMICALS AGRICURTURAL CHEMICALSなどの雑誌を見ると、アメリカのスプレーヤーは散布と製剤の両方の機能を持っている。農民は農薬散布の必要を感じた時はタクシーを呼ぶように電話する。
 スプレーヤーは現場で病害虫を診断して、最適薬剤を選びコストが最小で効果が最大になる防除機械で防除作業をする。病害虫の診断が出来る人材が揃えてあり、勉強と経験を積んでいるので失敗や事故はない。同業者との競争があるので費用も安い。製剤は散布計画に合わせて自前の工場で作るので、確実に消費されて原体の無駄は皆無である。請負散布の注文を増やすために、農民や一般市民の相談や質間に答える部門があり、多角的な質問に対応できるようにスタッフを揃えている。それ故、一般消費者に農薬に対する不安の声はない。
| 農薬業界の十字架 | 08:36 | - | - | pookmark |
農薬業界の十字架 25
 特に革新の中心になるべき普及担当のフォーミュレーターが、あまりにも自由のない不安定な環境に閉じこめられて、原体メーカーだけを見つめる視野狭窄になってしまい、農薬業界全体が閉鎖的になっていることが問題であると考える。
 全農は傘下のフォーミュレーターの経営に参加しているが、護送船団から落ちこぼれがないように考えるだけである。この鎖国的保護政策によって業界に倒産は無いが合併も合理化もない。この姿はソ連の核の傘の下で安住していた社会主義群小国家群を思わせる。欧米先進国の農薬業界は、サイレントスプリングの後の数年間で、農薬企業の数は半数以下に淘汰された。その後も自由競争で合併と淘汰が進みますます少数精鋭化している。この間、日本の農薬工業界には全く変化が無かったと言ってよい。老人ホームのように全員が老化萎縮しただけである。これでは国際競争力の差は開くばかりである。
| 農薬業界の十字架 | 12:30 | - | - | pookmark |
農薬業界の十字架 24
 筆者は、原体メーカーの研究開発部門から、典型的な系統フォーミュレーターに派遣されて、九年間技術系役員として、研究、企画、開発の実務を担当したが、両者が、全く異なる事業感覚で仕事をしていることを知って驚きの連続であった。
 事業感覚は置かれた環境の中で、一言葉を憶えるように作られるもののようである。それ故、説教や理屈で事業感覚を変えることは出来ない。
 日本の農薬業界は、本来、一つ、または、二つであるべき業界が、パテチオン導入期に三つに分けられて強く拘束されているために、業界内に自由競争が無いことが問題なのである。
| 農薬業界の十字架 | 09:58 | - | - | pookmark |
農薬業界の十字架 23
 化学工業会社、フォーミュレーター、全農を頂点とする農協が、グループごとにそれぞれの世界を作り、互いに、外から相手の内部事情は知るよしもなかった。全農傘下に入らない農薬会社や、製薬会社を中心とする、いわゆる、商系メーカーといわれるグループがあったが、農薬業界のなかでは傍流的なものであった。
 そのために、農薬業界全体を俯瞰して、日本の農薬の歴央や特殊事情を、業界の外へ解りやすく説明出束る人材が業界内で育たなかったことが、正統的マスコミの取材を困難にして、所謂マスコミ文化人の跳梁を許し、日本の一般市民の農薬に対する考え方を混迷させる大きな原因になったと考えられるのである。
| 農薬業界の十字架 | 08:21 | comments(0) | - | pookmark |
農薬業界の十字架 22
 若しこの様な特殊な硬直した業界が形成されなければ、日本の農薬業界は自由競争によってもっと多様な発展を遂げて、一般市民の農薬業界に対する感覚も、こんなにひどく隔絶した状熊にならなかったと思う。
 あまりにも画然とした三重構造による分業分権化のために、外部情報は層別されて水平に流れるのみで、業界を垂直に流れるべき一般市民からの情報は業界内部の層の壁で遮断されることになった。
| 農薬業界の十字架 | 08:46 | comments(0) | - | pookmark |