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ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

農薬と医薬 最終章
 当時の研究所長のビュッヘル常務は生物系研究所にすると抱負を述べてい
た。日本では遺伝子組み替え研究に厳しい規制があるように聞いたが、技術
は日進月歩である。暗い先入観や恐怖心による反対論に拘束されて、日本の
農薬が歩んだ道を再び歩くことにならないように祈るのみである。

| 農薬と医薬 | 09:45 | comments(3) | - | pookmark |
農薬と医薬 41
 低抗性の発達は合成農薬のアキレス腱である。この問題の対応に遅れる
と、人類は雪崩にあったように壊滅する。欧米では、遺伝子組み替えによる
農作物の改良研究が推進されているようで、耐病性品種、耐線虫品種、耐ウ
イルス性品種などの試験報告が増えている。十数年前になるが、バイエル社
がマンハイムに黒川紀章氏の設計によるマンモス研究所を建設した。
| 農薬と医薬 | 13:15 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 40
 新農薬の開発に十数年の歳月と数十億円の投資を要するに対して、それに
見合う市場の確保が困難になったのも大きな問題であるが、すぐれた新農薬
が見いだされても、生産資財としてのコスト競争で先行農薬に劣り挫析する
もの、複雑に入り組んだ特許事情によって進出困難なものが増加してきたの
は大きな問題である。有機化学工業における技術転換はほぼ四十年間隔で起
こってきたが、十年ほど前から転換が進んでいるように思う。
| 農薬と医薬 | 10:09 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 39
 事業も、前述のように、オールオアナッシングの恐怖がつきまとう。この
様な農薬事業のギャンブル的特徴によって、化学工業の農薬部門は少数にま
で淘汰されたのであろう。
 一九六○年代は開発途上国の人口爆発によって穀物不足による人類の危機
が目前に迫ったのであるが、その頃に登場してきた選択性農薬とタイミング
のよい品種改良を組み合わせた「緑の革命」によって、人類は危機を乗り越
えた。重大な使命を果たした合成農薬のスクリーニングは現在も続いている
が、五十歳を迎えて環境は変わっている。
| 農薬と医薬 | 11:56 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 38
『サイレントスプリング』が出版された後の数年間に、約半数の会社が農薬
事業から撤退した。この頃は、予期せぬ毒性問題が指摘されて、売り上げが
落ちた会社が多かったらしい。新農薬開発費の急増や開発の失敗でいやけが
さした会社なども多かった。農薬研究はスクリーニングがギャンブルである
が、市場開発も慢牲毒性試験問題が突如発生したりするのでギャンプルであ
る。
| 農薬と医薬 | 14:17 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 37
 欧米の業界誌で読んだ記憶であるが、化学工業会社の農薬部門の売上高
が、全社売上高の一五パーセントを越すと「危ない会社」で、倒産の危倹が
あるそうである。ヒット商品が出ても伸びすぎるので危ないという意味であ
る。確かに、欧米の化学工業会社は農薬部門の売上高を一五パーセント以下
に抑えて経営しているようである。といっても、研究開発投資は莫大である
ので回収も重要である。二流商品では回収も覚束ない。
| 農薬と医薬 | 06:39 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 36
 一方、チャンピオンの座から滑り落ちた方は悲惨である。一〜二年で売り
上げはがた落ちになり、一挙に赤字転落になる。
 農薬の技術情報は、どこの国でも農業関係機関に連絡しているので、農薬
市場は、必然的に、大型農薬による寡占市場になる。それ故、浮き沈みの落
差は極めて大きい。この落差のショックで、可成の数の名門会社の農薬部門
が閉鎖されたり吸収合併されたりした。

| 農薬と医薬 | 06:40 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 35
 農薬が医薬と大きく異なる点は、経済効果が重要であることである。農薬
の防除効果は、毎年散布で比較試験しているようなものであるから、絶対に
ごまかしは出来ない。コストと防除効果がはっきり出るので経済効果もはっ
ぎりわかる。
 新農薬の経済効果が、従来の商品にくらべてすぐれているという評価が出
れば、政府機関が先頭に立って農民に宣伝してくれる特徴があるので、一〜
二年で、メーカーに物凄い量の注文が来る。大工場を建設して生産すると、
売り上げが爆発的に伸びて使いきれぬ程の利益がはいる。
| 農薬と医薬 | 16:25 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 34
 一九七五年頃に農薬スクリーニングのために世界で合成される化合物の数
は年間二十万以上と推定されていた。また、試験された化合物が商品になっ
て市販される確率は年々低下して平均一万分の一〜二万分の一という報告も
あった。研究所の拡大競争に破れた会社は次々と姿を消していった。もうひ
とつの原因としては農薬事業の持つギャンブル的側面がある。
| 農薬と医薬 | 07:38 | comments(0) | - | pookmark |
農薬と医薬 33
 スクリーニングは流れ作業で出来ることと、件数が多いほど有利というこ
とから、研究所の拡大競争は際限なく行なわれた。アメリカのある会社で
は、ドレスメーカーのように、化合物デザイナーと合成屋に分けて新化合物
合成迄分業化していた。また、意識的に無差別じゅうたん爆撃型の探索研究
をしている会社、化学系と生物系をペアにして五百くらいのプロジェクトを
推進している会社もあった。
| 農薬と医薬 | 09:10 | comments(0) | - | pookmark |