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ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

抵抗性と農薬の宿命 最終章
 低抗性問題は、医薬農薬に共通する極めて重要な問題である。もし、低抗性の問題で後手に回ると、医薬も農薬も効くものが無くなるのであるから、人類全体が雪崩にあうような状態になる。その為に、世界の医薬農薬の研究があらゆる分野で続けられている。癌や心臓病や脳のような未解決分野だけが対象でないのである。このことを、全ての人が理解して、医農薬の研究開発を支援しなければならないと考える。
 ただ、何となくムードのような気持ちで、化学合成品に反対していると、医薬や農薬の道に進む優秀な人材がいなくなり、害虫や病原菌の低抗性対策がお手上げになった時、雪崩が来たように人類は滅亡する。人間が生存する限り、害虫や病原菌と戦う科学の研究開発は、永久に続けられねばならないのであって、立ち止まったとき、人類は自然界のあらゆる生物から復讐を受けて、地上から永遠に消えるのである。その警告が低抗性の発達であると考える。
| 抵抗性と農薬の宿命 | 08:02 | comments(0) | - | pookmark |
抵抗性と農薬の宿命 7
 DDTも、長年の使用によって、ハマダラ蚊に低抗性がついて、引退を余儀なくされた(日本ではDDTは慢性毒性のために使用中止になった、と信じられているが、低抗性の発達によって使用中止になったのである)。
 その後をスミチオンが引き継いでいる。コストは上がったが、マラリヤの発生は抑えている。スミチオンも、そのうち抵抗性の発達で引退する時が来る。
 この様に、人類は過去に何度も低抗性の危機を迎えながらも、その都度、人問の英知と科学の弛まざる進歩によって乗り越えてきた。
| 抵抗性と農薬の宿命 | 06:46 | comments(0) | - | pookmark |
抵抗性と農薬の宿命 6
 マラリヤ原虫を取り込んだハマダラ蚊が、人に対する感染力を持つ迄には時間がかかり、五回目の吸血あたりからと言われる。吸血一回目のハマダラ蚊に対する殺虫率は、三○パーセント〜四○パーセント位であったと思うが、五回目になると、吸血した蚊は一○○パーセント死んでしまう。この様な巧妙な原理で、マラリヤは完全に絶滅したのである百WHOの方法が開発されるまでは、蚊の退治は非常に困難とされてきた。ボウフラは竹藪の切り株や貝殻の水たまりにも発生するからである。
 熱帯地は、一年中蚊がいるわけであるから、壁には一年中DDTが残っていることが必要である。それ故、低価格と効力の持続性が重要になる。DDTは、価格が安くて、殺虫力が長持ちするところから、理想的な殺虫剤であった。

| 抵抗性と農薬の宿命 | 08:42 | comments(0) | - | pookmark |
抵抗性と農薬の宿命 5
 マラリヤは、ハマダラ蚊によって媒介される原虫によって発病する熱病であるが、その原虫は、初めから、ハマダラ蚊が持っているのではなくて、原虫を持っている人の血を吸った時に、初めて、原虫を体内に取り入れて、マラリヤを媒介する害虫になるのである。 ハマダラ蚊は人の血を吸うと、必ず、近くの壁に止まって、ひと休みしてから屋外に飛び立つ習性がある。そこで、壁にDDTを散布しておくと、血を吸って休んでいる蚊の脚にDDTが付着して、人の血を吸った蚊は、必ず、死刑を宣告されるのである。
 人の血を吸うのは雌だけで雄は吸わない。雌だけが産卵のために血を吸うのであるが、一旦、吸血を開始すると、毎晩一回、必ず、吸血するようになる。
| 抵抗性と農薬の宿命 | 06:58 | comments(0) | - | pookmark |
抵抗性と農薬の宿命 4
 このピンチは新しいピレスロイド系殺虫剤の開発によって劇的に解決された。その結果、綿の生産が爆発的に上がって、ジーンズの黄金時代を迎えた。この殺虫剤は国内の農業用には売られていないが、世界各国に輸出されて大切に使われている。
 DDTは人類の健康に偉大な貢献をした殺虫剤であるが、その中の一つに、WHOのマラリヤ絶滅事業がある。DDTに関する国際常識であるが、日本のマスコミが取り上げないので、日本ではあまり知られていないようであるので簡単に説明する。
 マラリヤに苦しむ人は、世界に三億人以上いると言われている。恐怖にさらされている人はその何倍にもなる。
| 抵抗性と農薬の宿命 | 08:00 | comments(0) | - | pookmark |
抵抗性と農薬の宿命 3
 昭和五十年頃に世界的に問題になった低抗性問題に、綿害虫の低抗性がある。綿は開発途上国に共通する換金作物であるので、世界の穀虫剤の一○パーセントを消費している。 それ故、綿生産国の殺虫剤低抗性に対する関心は高く、昭和四十二年に訪問した時のエジブトでは、国全体を三等分して殺虫剤のローテーションを組み、綿大臣が防除を厳重に監督していた。それでも、低抗性は年々増加して、昭和五十年頃は、中近東諸国の綿作の壊滅は時間の問題といわれていた。アメリカの綿栽培地帯も、突然、メキシコの煙革畑から抵抗性害虫が進入して、塩素系殺虫剤も有機りん系殺虫剤も全然効かなくなり、昭和五十年頃はアメリカの綿作も絶望的と言われていた。
| 抵抗性と農薬の宿命 | 07:51 | comments(0) | - | pookmark |
抵抗性と農薬の宿命 2
 暫くして、引き合い取り消しの連絡が来た。防除出来なくなった原因を調べてみると、かめ虫が散布液のとどかない高い枝に移動していることが判った。そこで、木の頂上まで散布できる散布機に切り替えたら、問題が無くなったというのである。かめ虫は集団避難するほど利口でないと思うので、木の上の方に住んでいたグループが生き残ったのであろう。
 抵抗性と一口に言っても、色々な例があるが、問題の殆どを占めているのは、害虫や病原菌が薬剤そのものに強くなる低抗性である。
 世界各国に於ける低抗性問題の認識は、日本のように甘くない。隣の韓国は、稲の病原菌の突然変異による凶作で国を挙げて苦しんだ時期があったので、農薬問題は真剣に取り組んでいる。
| 抵抗性と農薬の宿命 | 07:09 | comments(0) | - | pookmark |
抵抗性と農薬の宿命 1
 繩にDDTが効かなくなったという低抗性問題を最初に報告したのはデンマークだった。原因を調べたところ、蠅の足の裏の皮が厚くなっていることが判った。DDTが撤かれたあとに蝿がとまると、足の裏にDDTがつき、それが体内に拡がって蠅が死ぬのであるが、靴を履いたような縄の子孫が増えて、DDTが効かなくなったらしい。
 スミチオンに、最初の大量引き合いが来たのは、アフリカのガーナとナイジェリアであった。ガーナとナイジェリアは、ココアが重要な外貨収入源である。ココアには、日本のかめ虫のような害虫がつくので、BHCを使って防除するのであるが、低抗性がついて防除出来なくなったという理由であった。
| 抵抗性と農薬の宿命 | 06:56 | comments(0) | - | pookmark |