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ある伝説的隠居研究者の回想ブログ

国際人と生涯学習 最終章
 最近、公民館活動の課題として、生涯学習が提唱されているが、具体的に、何をどうしようと考えているのか判らない。当地でも、ポイント不明が問題になり、市民の学習希望課目のアンケート調査が行われたが、その集計結果を見ると、希望課目は、健康、地域の歴史、老後、育児というような、目先の平易で日常的なものか、趣味的なものばかりで、持続的に高度な知識を学習する意向は見当たらない。

 公民館で行われている生涯教育活動を見ても、中味は、スポーツ、民謡、踊り、お茶、生け花のようなものばかり、つまり、プレイするものぱかりでスタディするものは無い。この傾向は、当地だけではなくて全国共通の現象と言われている。

 生涯学習のテーマが、持続的な努力を要する学問的知識の獲得から離れて、プレイするものばかりになっているのは、幼児期から塾や偏差値やらで苛められたことに対する反動なのだろうか。

 カラオケ、パチンコ、漫画専門店、お笑い番組、プロスポーツ、年々豪華になるものは娯楽施設という世相も気掛かりである。

 定年退職後、歴史、哲学、宗教、心理学などの講義を聞いたり、本を読んだりしてみると学生時代とは異なる感触があり、理解力も進んでいるような感じで、結構楽しいものである。

 日本人は、若い時に、「哲学や文学」を理解出来なかった記憶にこだわって、晩年になっても、食わず嫌いのまま敬遠しているのではないかという気がする。

 日本の生涯教育に関する考え方は、あまりにも、覇気に乏しいような気がする。
| 国際人と生涯学習 | 13:30 | comments(0) | - | pookmark |
国際人と生涯学習 6
 外国のリーダークラスの人と話していると、相手の話に対する理解が早くて正確なことに驚かされることがある。洞察力があるのであるが、この洞察力は、あまり上手でない英語で微妙な対話をする時には、英語力以上に大切である。

 この場合の洞察力とは、話のなかで一番大切な問題を感じとる能力の意味で、或程度の人生経験に幅のある深い教養が必須であると考える。心理学で社会的知能とか結晶性知能と呼ばれるもので、絶えざる修練によって、年齢と共に磨かれて円熟するものであると考えられている。具体的には、歴史、哲学、宗教、文学、心埋学などを、本当に理解する能力で、高校生の段階では無理で、大学生の年齢でも理想でなく、三十歳、四十歳頃から理想的な学習年齢に入るとされてている。それ故、晩学で伸びる知的能力である。
 日本の学校教育の間題点は、上述の結晶性知能の教育も、数学や語学や図形理解などの流動性知能の教育も区別せずに、一律に、二十五歳で教育を終わりにしていることであり、日本社会もそれで良いと考えていることであろう。

 OECDの報告によると、高等教育を受けている二十五歳以上の学習者の、学生のなかに占める比率は、日本は五パーセント以下であるが、欧米先進諸国では、最低の国でも三○パーセント以上、多い国では六○パーセント以上である。日本では、家庭で勉強している人が少なくないと考えるが、それにしても大きな格差である。「日本人に哲学がない」という批判を聞くことがあるが、理解させるためには、発達した結晶性知能が必要な課目を、発達段階を軽視して、急ぎ過ぎたことが原因ではないかと考える。
| 国際人と生涯学習 | 20:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
国際人と生涯学習 5
 覚束ない英語を通じての対話だったが、実に素晴らしい感覚の、勉強好きな初老の女性であった。的を射た質間や、コメントに手応えを感じて、やりとりに夢中になり、辞去したのは夕方の七時になった。見張りをしていた挙銃の男は、「グッドモーニングと言って入って、グッドナイトと言って出てきた男は初めてだ」と言ってあきれ顔で笑った。

 「謎の女」と呼ばれていたのには、理由があった。彼女は小児麻痺の後遣症で歩行困難だったのである。

 ー力月ほどしてから、彼女は、女牲の人事課長を介添えに来日した。大阪空港に出迎えた時、杖を片手に必死に歩く姿に感動した。約一週間ほど私の研究室に滞在して、納得したらしく満足して帰国した。

 歩行困難の身でありながら、学ぶことに千里の道も遠しとせぬ情熱には驚いた。五つの大学の卒業資格を持っていたそうである。その後、ジョンソン社を退き大学教授に転身したそうであるが消息は知らない。フィリピンにも凄い女性がいたものである。
| 国際人と生涯学習 | 00:16 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
国際人と生涯学習 4
 兎に角、長い間、興味を持っていた人物と会い、期待どおりの印象を持つと、昔からの友人のように感ずるもののようである。この、所謂、人生意気に感ずる興奮は人種も国境も越えるようである。もう一つ、似た例を挙げる。

 ジョンソンフィリピン社の研究開発部長のカルメンルート女史は、ジョンソン全社の実力者という話を聞いたが、本当に会ったという人はいなく、「謎の女」というニックネームがついていた。フィリピン出張の時、彼女に面接することを目玉にして、現地商社がアポイントを取ってくれていたが、たまたま前日に、現地商社員三名が銃撃されて、一名が死亡する事件が発生して、同行予定の通訳の都合がつかなくなった。迷ったが、運転手の案内で、朝一番に、訪間することにした。挨拶だけなら一人でも出来るし、それだけでも情報になると考えたのである。

 受け付けで来意を告げ、大きな拳銃を腰につけた中年男性の社員に案内されて、緊張気味で彼女の事務室に入ったのであるが、開口一番、今回の不祥事件の勃発を国民の一人として心から詫びる言葉が出た。その誠意に満ちた言葉と態度に感動した瞬間、百年の知己を得たような気持ち女の事務室に入ったのであるが、開口一番、今回の不祥事件の勃発を国民の一人として心から詫びる言葉が出た。その誠意に満ちた言葉と態度に感動した瞬間、百年の知己を得たような気持ちになった。
| 国際人と生涯学習 | 01:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
国際人と生涯学習 3
 話を先に進めるが、英国人の教養には博物学的知識が重要な地位を占めていると聞いたことがある。私は能登半鳥の田舎町の育ちで、子供の頃は、海や山を遊び場にしていたのであるが、ただ遊んでいただけだったので、鉱物はもとより、植物、昆虫などの標本を出されることや、星座の話は大の苦手である。あの頃に、誰かが鉱石や植物や昆虫や星座の名前を教えてくれていたならぱ、英国人の話題から逃げ回る苦しみもなかったのに、と、一寸残念であった。

 博物学の知識は、物の名前を覚えるように、見たり聞いたりしてなんとなく身につける方がよいようで、子供の頃の好奇心の強い時期を逃すと大変なようである。大学時代ではもう遅い。例えば、私の植物学は、高等学校時代の試験勉強と、大学時代の薬用植物学の講義や実習で教わったものであるが、今、残っている知識は本当になんの役にも立たない。「薬学という字から草冠をとれぱ楽学になる」と、仲間と嘆いていた程度だから仕方がない。

 幼稚園児か小学校低学年の早い時期に、良い先生を配置して教育をすれぱ、教育効果があると思うが如何なものか。あの時期に良い先生に恵まれて教わっていたならば、もっと、自然に親しみ、豊かな人生になったかも知れないと思うのであるが。
 これはさておき、世界を二分する競争をしている相手を、知り合ったその日に自宅に泊める離れ業は、普通の日本人には思いつかぬ発想だろう。ホイホイと泊まった方も変わってはいるが。
| 国際人と生涯学習 | 00:39 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
国際人と生涯学習 2
 昭和五十一年の夏、ケニアのビクトリヤ潮畔のWHOマラリヤ試験地へ出張する目的で、海外開発部長と二人で大阪を出発して、香港で飛行機を乗り換える時、一人共、トランクが行方不明になった。トランク無しでは仕事にならないので、香港で途中下車して、航空会社に調査を依頼した後、暇つぶしのつもりで、知り合いの蚊取線香メーカーを訪ねたところ、その会社にキーバー氏が長期滞在していたのである。

 予想に反して、若々しい感じのする私と同じ年くらいの、快活な英国人で、あった。どんな目的で香港の香取線香メーカーに長期滞在していたのか知らないが、社長から紹介されてランチに行った時から話が弾み、タ食後は、夫人も合流して深夜まで飲み回り、ついにその夜はマッキーバー氏の家に泊まり込んだのである。

 翌朝、流石に話題が切れ気味になった。マッキーバー氏は暫く考えた末、書斎から石や鉱石が並ぺてある標本箱を持ってきた。説明によると、どうやら子供の頃に自分で集めたものらしい。話の種が切れたので、石や鉱右の話をしながら、子供時代の話でもしようとしたのかもしれないが、こちらの二人は多いに慌てた。鉱石の知識が無いというのも恥ずかしかったので、英名を知らない事にして話題を変えたが、相手は植物でも昆虫でも構わない感じであった。
| 国際人と生涯学習 | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
国際人と生涯学習 1
 昭和三十年頃から五十年にかけて、「ピレスラムポスト」という英文の雑誌があった。日本語で「除虫菊通信」という意味になる。発行者はケニア除虫菊協会で編集責任者はマッキーバーという人であった。「アフリカの雑誌じゃ、たいしたことはない」と想像するが、さにあらず、実に立派な内容の雑誌であった。

 除虫菊に関する情報がいろいろな角度から盛り込まれて、初心者にも参考になると同時に、学術的に興味ある最先端の研究報告や総説がタイミングよく集めてあって、新刊を手に取るのが楽しみな雑誌であった。

 ケニアの山奥で、こんなハイレベルな雑誌を作ることの出来る人物は、どんな人だろうかと、畏敬の念を抱くと同時に、ピレスロイド系殺虫剤市場争奪戦のライバルとして、マッキーバー氏の存在は常に頭のなかにあった。そのマッキーバー氏と、突然、思いがけない場所で会い、然もその日の夜は彼の私宅に世話になることになったのである。
| 国際人と生涯学習 | 20:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |